ケース 3 :「夢のマイホームだったはずが…」岩本さん(仮称)
茨木市の賃貸マンションに住む、結婚して2年目。子供のいない岩本さん(仮称)30才、ご夫婦は平成11年の4月、新聞チラシに「今の家賃で自分の家がもてますよ!!」という広告を見た奥さんの、「ねえ、日曜日に見に行かない?」と冗談半分で始まったこの話。
半年後に吹田市に3,200万円で68平方mのマンションを購入しました。頭金「ゼロ」の総て借金です。諸費用含めて「3,600万円」となりました。奥さんはとある会社で正社員として働き年収が200万円以上あります。ご夫婦の合計年収は約600万円。購入したマンションは共有名義で、岩本さん(仮称)3分の2、奥さんが3分の1の持ち分です。全て業者に任せ、お二人はハンコを言われるままに押しただけです。
住宅ローンは、月8万円、ボーナス時32万円。新居に引っ越す際に、カーテンや家具、電気製品を新調した、いわゆる引っ越し貧乏です。これら新調した家財の月々の返済が4万円です。
30才という若さで持ち家という、他人がみたらスゴイと感じたことでしょう。2人とも返済など気にすることなく快適と思われる生活が始まりました。
しかし、年間に支払う住宅ローン150万円、管理費24万円、固定資産税12万円プラス他のローン50万円と、年間約240万円の返済をしなくてはなりません。
このご夫婦の悲劇は、この時にすでに始まっておりました。返済が始まって初めてのお正月、そして2月になると「ボーナス月の32万円の返済」、3月には「不動産取得税20万円」の請求が来て、2人は結婚して初めて、お金に対して「追いかけをかけられた」のです。
6月には奥さんの妊娠が判り、嬉しいはずなのに率直に喜べない状況になっていたのです。一息つくと訪れる「ボーナス返済」。12月などボーナスをもらっても、2月のボーナス返済の為に使えません固定資産税の12万円も大変です。
子供が生まれる1ヶ月前まで大きなお腹で働いていた奥さんも退社せざるをえませんでした。子供が産れると、奥さんは育児のストレスと住宅ローン返済のストレスが溜まりだしました。実家が2人とも東北で両親が手伝いに来るには遠すぎます。そして、カードローンのキャッシングが始まり、サラ金です。楽しいはずのマイホーム生活が一転して地獄です。子供が2才になる前に岩本さん(仮称)の収入ではどうにもならなくなりました。金の切れ目がではありませんが、奥さんの気持ちもどにもならなくなってきてしまったそうです。
平成15年1月に協議離婚、奥さんは子供を連れて宮城の実家に帰ってしまいました。岩本さん(仮称)は退職し、トラックの運転手になりました。
破産を決意。我々は弁護士の依頼で岩本さん(仮称)のマンションを訪れました。玄関を入り廊下を歩いても生活感は全くありません。3LDKのマンションに岩本さん(仮称)の一人暮らしです。3つの部屋は使われておらず、LDKでの一人暮らしです。それでも広すぎるくらいです。奥さんが家財・家具のほとんどを持って行ったのでしょう。
クリーニングをすれば直ぐにでも売却可能です。奥さんにも連絡をし「専任契約書」に「印」を貰い、販売活動に入りました。むろん、奥さんには「残債務」の返済の請求が来る事を伝えましたマンションの売却価格は「1,480万円」でした。
この様に、始めから返済が難しいことが分からず、業者の言われるままに購入して、破産までしていく人も少なくありません。結果、岩本さん(仮称)は自己破産、奥さんは共有名義の連帯債務者となりました。
一時の夢としては高くついたものです。








